完済後の信用情報
学生ローンで以前借りていて、3年位してから信用情報の事が気になり、問い合わせをするケースが増えている。
なぜそうなるのか、気になって調べてみたところ、様々なケースがあることがわかった。
中でも多いものとして、住宅ローンを組む際、3年前の学生ローンの契約がまだ残っていることを指摘され、契約が解除されていることの証明書を要求されるケースがある。
3年前に完済したものを、なぜ今さら持ち出されるのか?
これについては、実は契約内容によるものであることがわかった。
学生ローンの契約方法には2種類あり、貸付ごとに契約を取り交わす「個別契約」と、1度の契約で何回でも繰り返し借り入れができる「包括契約」がある。
個別解約が完済した場合、信用情報上では契約自体も残っていない状態となるが、包括契約の場合は完済しても契約そのものは残ったままの状態となる。
この場合の信用情報上のデータとしては、「包括残ゼロ」という状態になり、「完済はしているけれども、契約は残っている」という扱いになる。
つまり、契約自体は残ってしまっているので、銀行で指摘された件はこの包括契約であったことを意味する。
では、学生ローンをはじめ、一般の消費者金融ではどちらの契約が主に使われているのだろうか?
実は、圧倒的に包括契約の方が多い。
その理由は、お互い便利だからである。
個別契約では貸付の度に契約書を取り交わさなければならないが、包括の場合は特に何の手続きもいらない。
今ではどこででも見かけるATMやCD機を思い起こしてほしい。
ATMではいちいち契約書など書かないのはご存じだろう。
これは、包括契約によるものだからである。
個別契約ではATMの利用ができないばかりか、振り込みによるキャッシングにも支障がでる。
厳密には契約書を郵送し、記入後に返送をしないと借りられないからである。
その間、往復の時間があるので、実際に借りられるまで数日の期間を要することになってしまう。
これでは商売にならないだろう。
お客は他の即日融資が可能な貸金業者に行ってしまう事は明白だ。
このような事情があり、学生ローンをはじめとするほとんどの貸金業者は、包括契約を採用しているのだ。
もし、将来的に住宅ローンや大口のクレジットカードの契約などを予定している場合は、契約前に契約形態を確認しておいた方が良いだろう。